若者たち2014 8話

リベンジポルノ。

昔からこれは問題になっていたはずだった。

でもこれがもっと大きく広まり絶望的にならざるを得ないのは現代だからか。

モバイル。クラウド。たかが四文字。だが、画期的に便利になったものを現す四文字。

便利なものには必ずリスクがあると私たち大人は改めて学ぶべきだし、子供にも教えなければならない。

無知は罪。

無知のみを責めるのではなく、無知を作った側も責めを負うべきだ。そこに当然私も含まれるべきだと思う。

 

末っ子は早く、保育器の中にいる姪っ子を見に行くといいと思う。

生まれたときから背負わされた「母の命と引き換えに産まれ落ちた」ということを、ただ迷惑で済ますのではなく、その目でその意味を確認し、いかに命というのが危うく、つなぎとめることの難しさや、生きているということが奇跡なのかを身をもって知るべきだと思うから。

そうすれば、この奇跡のような人の生というものに、自分がしてしまった重大さを認識するだろうし、自分が死ねばいいんだろう、という言葉も二度と言えなくなると思うから。

 

でも彼がこうなったのはやはり、彼ら家族が全員外を向いていたからということもあるんだろう。最近そういったものが、彼らの中になくなりつつある。みんながきちんと家族全員をみつめはじめた。

妹は兄と弟を見ていたがそれをつなげることはなかった。何故なら、自分に目が向けられると後ろめたい恋に気づかれてしまうから。後ろめたくとも、絶対に手放したくない恋だったから。自分を救ってくれた恋だから。でも、それは恋でなくても救われたはずだった。それが恋になってしまったのは相手の弱さ、寂しさやお互いのエゴからだけだった。

長男は、親として彼らを見ることだけに専念し、妹弟たちの中を見ることはできなかった。

彼にはそこまでしかできなかった。子供の自分を置いてけぼりにして親代わりにならざるを得えなかったから。余裕もなく、兄としての自分が親として弟妹の中を見ることはやはり難しかったから。兄としてみればいいだなんて、誰も教えてくれなかったから。

ムショ帰りの次男は、誰にも絶対に見られたくない知られたくない自分を隠し続けたかった。しかし、案外三男にバレていたというほころびから、すべてを解き見せてしまった。そのために起こってしまった弟妹の変化に心を痛めているのは彼で、だからこそ彼は一番兄弟妹を見ている。でも、見ているだけだった。どこかやはり後ろめたさがあったから。

劇団の三男は、一番上手く生きていけそうな人間だったかもしれない。でも頭が良い分、いいわけも上手くなってしまった。弟が好きだった彼女を奪ったときも、脚本家と女優だから、と誰にも文句を言われないであろう言い訳を持っていたはずだった。弟以外には。賢い彼だったら、そんなことは百も承知だっただろうに。

 

そんな彼らがお互いを見て、ぶつかり合い、理解しあい、支えあう。

知らないことを教え、教えられ、気持ちを共有する。

病めるときも健やかなときも喜びも悲しみも共に分かち合う。

そんな日が訪れることを祈って。