昼顔 9話

早い早い。もう9話かあ。

それぞれの道がどんどん分かれて行く今回。まるで割けるチーズのようだなあってぼんやり思いながら分かれて行く様を見ていた。あれって細い糸のようなものからある程度の太さだったり。それが登場人物の危うさに似ている。

 

今回、ちゃんと追い込む手順や急所を的確に突いてくるサワの旦那の会社女子と、高校教師の妻。追い込み猟に長けている肉食の獣のよう。追い込まれていくサワと高校教師。不倫なんて、なかったことにしようとするサワの旦那の泣き顔。画家カップルは早くも限界を感じている様子。そりゃそうだ。お互いきちんと向き合うと、お互いの重さがのしかかってきて辛くなるから。

 

サワを警察まで迎えに行き、その後不倫先輩が言った言葉は、私にはこのドラマの発表を見たときから思っていたこと。

「昼顔妻なんてどこにもいないのよ」

そりゃそうだ。そんなの、あるわけがない。昼の情事を割り切って楽しんでいる、その一瞬を切り取った様をそう表現するんだろう。誰が?もちろん本人たちが。そう思って一瞬の特別感を感じることによって、後ろめたさを打ち消したいから。

 

サワと高校教師はこのままどこにいくのだろう。いっそ誰も来ないような山奥で隠れるように暮らしたいと思うんだろうか。でもそれはお勧めできない。お互いの重さで沈んでしまうに違いないから。それとも、それさえも彼らの希望する未来なんだろうか。